突然ですがみなさん、テザー撮影してますか?一応テザー撮影とはなんぞや、というとカメラをPCやタブレットなどと繋いで(tether)撮影することを意味します。そのメリットはやはり撮ったその場で撮影結果がモニター表示される、ということ。カメラの背面モニターでちまちま確認するより、PCやタブレットの大きなモニターで見た方が正確です。また多人数で撮影結果を共有できる!という部分も大きなメリットではないかと思います。例えばクライアントやディレクターが同席する場合などは、必須なのではないかと個人的には思います。モデルさんとの撮影でも、どんな風に撮られているのかが分かるとお互い安心ですし、コミュニケーションにも繋がります。そうです。テザー撮影は人と人とを結ぶのであります。
テザー撮影のよい点
- 撮ったその場で結果を大きく表示できる
- 多人数でイメージをすぐ共有できる
- その場でデータの編集も可能
有線か無線か
ではカメラと端末をどう繋ぐか。それは撮影環境によりけりです。スタジオなど撮影者が大きく移動しない場合は、有線をおすすめします。なぜなら、安定性と速度が無線と比べて大きく違うからです。RAWや最大サイズのjpgといった重いデータでも、さくっと転送されるのは快適です。またバックアップの観点からも安心です。有線の唯一にして最大のデメリットは、ケーブルで物理的に繋がなければならないことでしょう。移動範囲が限られること、誰かが足で引っ掛ける危険性、などの要素が発生します。
無線でのテザー撮影はどうでしょう。こちらは電波の届く範囲であれば、どこに移動しようと自由!です。当然足を引っ掛ける心配はありません。機動力に関しては有線と比較にすらならないでしょう。特にタブレットとの相性は非常に良く、現場でディレクターやクライアントに預けておけばすぐに大きな画面で確認してもらえます。見るだけであれば操作はスワイプ、タップくらいなので、スマホを普段使っておられる方なら誰でも簡単。またノートPCに比べて軽いこと、ホコリや熱などに強いことも大きなメリットです。デメリットがあるとすれば、重いデータを飛ばすには若干難があることと、安定性にやや欠けることくらいかと思います。
タブレットでテザりたい!
無線でのテザー撮影を実現するためには、3つのメジャーな方法があります。
- カメラ内臓のwifi経由でタブレットとテザる
- Wifi内蔵のメモリーカードを使う
- カメラとタブレットの間にモバイルルーターをかませる
カメラ内臓のwifi経由でテザー撮影(imaging edge mobile)
1は端末にアプリさえイントールしておけば他に特に用意するものはなく、一番手軽な方法かと思います。僕はSONYa7系ユーザーなのでimaging edge mobileというアプリでの話をします。メリットは転送速度がけっこう速いことと、どこでも使えるということです。どこでも使えるというのは割と強みで、たとえば後述するモバイルルーターでは電波の届かない場所(山奥や地下室など)でもテザることが可能となります。さらに良い点はリアルタイムプレビューが可能なこと。三脚に据えてじっくり撮る時などは、地味に大活躍してくれます。デメリットは電波の届く範囲がやや狭いこと。これはまだ致し方ないにしても、最大のデメリットはカメラ一台につき一つの端末しか繋ぐことができないことと、カメラ側の操作が非常に限られるということです。例えば撮影中にmenuや再生ボタンを押した途端に電波が切れてしまうのは、かなり厄介です。
よい点
- 転送速度はけっこう速い
- どこでも使える
- リアルタイムプレビューが可能(ラグはひどいけど)
いまいちな点
- カメラ一台につき一つの端末しか繋ぐことができない
- カメラ側の操作が限られる
Wifi内蔵のメモリーカードでテザー撮影
2はTOSHIBA FLASH AIRなどのメモリーカードを用意してアプリを使えば、wifi内蔵ではないカメラでも1と似たような環境を作ることができます。またsafariやchromeといったブラウザからカードへアクセスすることもできます。さらにFLASH AIRならではの機能として、子機モードに設定することができます。自分でコードが書ける方なら、さらにマニアックな使い方ができるようですが自分には無理です笑。そしてこの特性が、3のモバイルルーターとの合わせ技を可能とします。ちなみに僕はこの部分でドハマリしました。。。あと国内版と輸入版がありますが、僕は輸入品で問題なく使用できています。
よい点
- Wifiを内蔵していないカメラでもテザれる
- 設定次第でいろいろ可能
いまいちな点
- Wifiが狭く弱い
- 設定を弄るのがやや手間
カメラとタブレットの間にモバイルルーターをかませてShuttersnitch
3、こちらが僕にとって本命の方法です。2のFLASH AIRをスロット2にセットして、モバイルルーターをカメラとの間にかませます。画像はSサイズのjpgを割り振っておけば良いかと思います。そして使用するアプリは、有償ですがShuttersnitchを激推しします。その前に無料クライアントアプリを通してテザろうと試みましたが、どうやっても僕には無理でした。。たぶんコード的な設定がうまくいってなかったのだと思います。そこでやむを得ず購入したShuttersnitchは、アプリの設定一発で僕の理想を叶えてくれたのでした。やはりケチってはいけませんね。
よい点
- 複数のカメラを接続可能
- Wifiの届く範囲が広く強い
- カメラの設定も自由に触れる
- その場でレーティングやレタッチ可能
- 任意でサーバーなどに転送できる
いまいちな点
- 物理的にカードがないと何もできない
- プログラムに不具合が発生した場合、現場で対応するのはかなり厳しい
- 接続するまで何度かトライ&エラーが必要な場合がちょいちょいある
- 契約しているルーターのプロバイダによっては、電波の届くエリアが限定される
やってみたい!という方のために僕のconfig設定を参考までに置いておきます。詳しい記事はいろんな方が書いてくださっているので、うまくいかない場合はそちらを読んだほうが良いです。
[Vendor]
CIPATH=/DCIM/100__TSB/FA000001.JPG
VERSION=F15DBW3BW4.00.02
CID=02544d535731364754d0afe57a011501
PRODUCT=FlashAir
VENDOR=TOSHIBA
APPNAME=任意の名前
APPSSID=ルーターのwifi名
APPNETWORKKEY=ルーターのパスワード
APPMODE=5
APPAUTOTIME=0
DNSMODE=1
LOCK=1
WEBDAV=1
TIMEZONE=36
[WLANSD]
DHCP_Enabled=NO
IP_Address=192.168.100.112←IP固定してやる
Subnet_Mask=255.255.255.0
Default_Gateway=192.168.100.1
Preferred_DNS_Server=192.168.100.1
Alternate_DNS_Server=192.168.100.1
総論
有線、無線どちらにもメリット・デメリットはあるので、撮影によって使い分ける。速度と安定性は有線がダントツ。ロケなど移動が多そうな現場では、カメラとタブレットの間にモバイルルーターをかませるやり方が機動力と安定性でベター。ただし、場合によってはカメラ内蔵wifiでも全然あり。
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